モールトンで日本縦断中のIさんから連絡が入った。
「ペダルをこいでも前へ進みません。」
旅先でこんなトラブルに遭遇したら、さぞ不安だっただろう。
症状を聞く限りでは、後輪のフリー部分が怪しい。
現地で修理するのは難しいと判断し、急いで交換用のホイールを発送した。
無事に届き、Iさんは再び日本縦断の旅へ。
まずは旅を止めずに済んだことに、ホッと胸をなで下ろした。
さて、送られてきたホイールを分解してみる。
ヲヲヲ……。
ラチェット部分が見事にバラバラではないか。
これでは駆動力を伝えることはできない。
さらに、ラチェットを固定し、出たり引っ込んだりさせる円状のバネが折れていた。
久しぶりに見る、なかなか珍しい壊れ方である。
こうなってしまうと、現地で応急処置というわけにはいかない。
しかし、今回あらためて思った。
自転車は機械だから、どんな名車でも故障することはある。
大切なのは、「壊れないこと」ではなく、「壊れても旅を続けられること」なのかもしれない。
Iさんの日本縦断は、まだ続いている。
次はどんな景色に出会っているのだろう。
旅のゴールまで、どうか無事に走り切ってほしい。

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