今日はできるだけ早起きして作業したかった。
昔、プログラマーだったころは「前詰め」で突っ走るのが好きだった。
誰よりも早く会社に入り、まだ人の気配が染み込んでいない空間に身を置くと、
そこには学校の放課後のような、不思議な静けさが漂っていた。
あの空気を吸い込むのが、密かな楽しみだった。
で、今日。
またしても早起きは失敗。
自分との勝負に、秒で負けた。
とはいえ、オープン1時間前には店に到着した。
その時点で、少しだけ勝った気にもなるから不思議だ。
では、 U さんから預かった GIOS号のキックスタンド取り付け。
ただ付けて“はい終了”とはいかないのが、この赤いイタリアン紳士。
スタンド取り付け用の台座がないので、普通に付けるとキックした瞬間にズルッとずれる。
そこで久しぶりの“スタンド加工”である。
台座部分に小さな溝を刻み、スタンドが動かないようにする、あの地味に神経を使う作業だ。
削っては当て、また削っては当てる。
私は NC工作機械ではなく、ひと昔前のアナログ人間だ。
誤差もある。気まぐれもある。
一発で「ピッタンコ」。
まるで GIOS が「今日は頼むよ」と眠そうに言ってきたような、そんな噛み合わせだった。
私は思わず、静かにほくそ笑んだ。
「ガンダム・大地に立つ!」
ほんの少しだけ早起きした、そのわずかな差が、今日のモチベーションを高めてくれる。
朝の一歩は小さくても、効き目は大きい。
そんなことを思いながら、店のシャッターを開けた。


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