ご注文|Oさま|Harry Quinn PORTABLE E-BIKE AL-FDB16E

スルすル回れ、テンショナー!〜静かなる整備戦記〜

最近、私も愛用中の電動アシスト自転車「ハリー・クイーン」。
モールトンやKHSのような電力なし自転車が持つ、滑るような軽快さとは違いますが、
起伏のないアシスト感が心地よく、適度な運動としてちょうどよい塩梅。気に入り始めています。

そんな折、満を持して「当店でも取り扱っています!」と公言いたしましたところ、
それを見つけてくださったOさまより、シルバーのハリーをご注文いただきました。
ありがとうございます!

入荷いたしましたので、試乗車のチェックで得た経験をもとに、点検・調整を進めてまいります。


第一関門:やっぱりテンショナー

クランクを回すと、駆動系に何やら抵抗感。

怪しいのはテンショナー。ということで、分解専用の治具を使い、ササッと解体。
見てみると、テンショナープーリーのシャフト表面がザラザラ……。

なるほど、これが抵抗の正体かと、さっそく旋盤を用いピカピカ化に成功せし。
そしてグリースを塗布。

さらに、プラスチック部品同士が接触している気配もあり、こちらにはシリコーングリースを塗布。
回転抵抗に対し、こちらも「抵抗」してみたというわけです。

再組み立て後、クランクを回すと……明らかに軽くなった!
やった甲斐があったと、思わずニヤリ。


第二関門:あれ、ブレーキが変?

実はもっと切実な問題が。
それは、後ろブレーキの「引き」に違和感を感じる、という微妙なテレパス。

ワイヤーの問題かと、分解してみたところ、どうにも引き回しに無理がある様子。

で、よく見てみると……あれれ? 部品の製造が、ちょっとオヨヨな感じ。

どうやら、ネジ穴がまっすぐ開いていない模様。
思わず「え、これって仕様?」と独り言が出ました。

まあ、そんなこともあります。
自転車も、人生も、真っすぐばかりじゃありません。



時間が少し過ぎ去ってしまいましたが、ブレーキの代替分到着です。

点検しましたが、全くの無問題。
ブレーキインナーワイヤーも新しい物に交換して装着いたしました。


完成したハリー・クイーン。
ヘッドアングルが随分寝た角度になっているので、とてもホイールベースが長く見えますね。
かといって、全然不自然なステアフィーリングではないんですよ。
逆に、コーナーからペダルを踏んだ時にグーン!と加速するフィーリングが、私も病みつきになりそうです。いや、もう病みつきかも。

それから、ペダルをMKSの折りたたみ式ペダルに交換ご依頼いただきました。
折りたたんだ時に、更にコンパクトになますね。
しかもベアリングの回転もスムーズですし、サイクリングの気持ちよさへのプラスとなり、すばらしチョイスです。この自転車にとても似合ってますしね!

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