叩け!叩け!たたけ~!

以前Tさまより、古いMOULTON AM-2のフロントフォークを3本オーバーホールご依頼いただきましたが、更にもう一本追加でお仕事いただきました。

と言う事は、4台ものAM-2に囲まれてお過ごしなんですね。
それはそれは幸せな環境でうらやましい。
古い物の持つ独特の風合いってたまりませんよね。


さて今回の物件ですが、以前の3本とは違い、かなりキツイ固着している模様。
スプリングを押すプラスチック製のピストンが肥大化してこんな風になってしまうのですが、年代物ゆえ放置期間が長かったのも影響しているのかも。

上から硬いピアノ線を差しこみ、何度叩いてもびくともしません。
良く見ると、ステアリングチューブがピストン肥大化の影響で外側へ膨らんでいるではありませんか!ワヲ。



ならば、ステアリングチューブに熱を加えて、ピストンを溶かすしかありませんねえ。
こういう場合は、チューブを熱し過ぎてダメージを与えないように注意しながら火をかけます。



頃合いを見計らい、上からコンコンと叩くと、出てきましたー!便秘解消!!とばかりに表面が溶けたピストンがお出ましです。

いやはや、抜けてよかった一安心です。


昨日は、ステ管が広がっている!なんて言いましたが、よく見るとチューブがアウトバテット、つまり外側は広く、中心部分は狭くなっているチューブを使ってあったのでした。

なーんだ、と言う事ですが昔の物の方が凝っているという事実に段々心配になる私。
何せ、最近のいわゆるお城製とて、段々と効率を考えた作りになりつつあるからです。

さて、チューブから残りカスをとりだし、全体を綺麗にして組み立てて終了。

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