スポルティーフざんまい

コンパクトツアラー専門店なる造語でおなじみのドライジーネではございますが、こっそりと一目をしのんで大きな車輪の自転車にいそしんでいる事があります。

とは言っても、その大径車とはロードバイクやマウンテンバイク、はたまたクロスバイクではありません。
それは絶滅危惧種、いや絶滅したかに見えた旅用自転車「ランドナー・スポルティーフ」でございます。



こちらは、Iさまよりお買い上げいただいたARAYA ディアゴナール。
先日、しばらくお乗りになった所でパーツ交換のご依頼をいただきました。



ビッグチェンジな部分としてはシマノ クラリス(左)からTradizione belloクランクへの交換。
ちょっと前まで、こんなクラシカルなデザインのクランクは骨董部品をどこぞから探してこなければなりませんでしたが、現在ではいとも簡単に手に入り、しかも変速性能も昔の物とは比べ物にならない位いスムーズでございます。



リアディレーラーは、現在のシマノコンポーネントでは鏡面仕上げな物がありませんでしたので、中古車専門店のサイクリー殿で手に入れた無傷の4500番Tiagraを装着。
小旅行程度のツーリング目的であれば、最初に装着されているクラリスでも十分ではございますが、服装と同じく見た目も大事。



スプロケットや、チェーンも光度の高い物に換装したゆえに、かきらびやかな装いにチェンジしたディアゴナール。
Iさまと一緒に出来上がった物を眺め、幸せなひと時を過ごさせていただきました。ありがとうございます。



こちらは、Nさまよりオーダーいただいておりました、ロイヤルノートンのスポルティーフ。
フレームに貼ってあるロゴは、新・旧選択できるのですが、ご希望により旧ロゴでオーダー。
クラシカルなパーツセレクトにピッタリと合っております。
こういうロゴのグラフィックも装いとして大事でございます。



ヘッド部分に貼られているのはバッヂではなくデカールなのですが、なかなかに凝った新デザイン。
私も初めて見まして、王冠とギアを組み合わせた見事なデザインにNさんとご一緒に有頂天でございます。



組み立てを開始したロイヤルノートンですが、マッドガードの取り付けに不慣れな私は、マッドガードを取ったり付けたり、取ったり付けたり、取ったり付けたり、の繰り返しでございます。

そしていよいよ、マッドガードの先端分の出しろを決め、取り付け穴をあけ、フロント部分の表情を確認。
私の想像したキリっとして獲物を見つめる鳥のような表情になったと、心の中でガッツポーズをして、一安心の安堵の吐息でございます。



そしてこちらは番外ではございますが、最近某オークションで手に入れたブリヂストン アトランティス おんぼろスポルティーフでございます。

おんぼろツーリング車を見ると心躍る私でござますが、この寒い季節は入札者も少ないのでは?と思い一発勝負に出てみた。

その昔、落札したおんぼろフレームが、色んな所が曲がっていてどう見ても事故車みたいな物を買ってしまった苦い経験から、恐る恐るのGETでございます。
高い物ではありませんが、手に入れた物がゴミでしたらがっかりですもんね。

届いた物をチェックして見た所、フレームに無数の傷がありボロですが、凹み曲がりの損傷はないよで、バクチに勝った気分でございます。

ブリヂストンの自転車なので、オーダーメイドでのフレームビルダーさんが創ったようなオーラはございませんが、当時のブリヂストンの上級グレードと言う事で、なかなか気合いの入った部分を垣間見る所がございます。



このウネウネしたコンチネンタルカットラグもその一例。
マスプロ車でこの意匠をした物は数少なく、当時あこがれつつも高くて買えなかった人もいるはず。
もし、憧れのアイドルがごとく心に思い続けている方がいらっしゃればぜひ見に来て下さい。
お売りも出来ますが、レストアには結構お金がかかります。


そんなこんなで、旅自転車の先駆者たるスポルティーフやランドナーに敬意を表しまして、販売や修理を受けた賜っております。

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